音楽教室スタッフで活躍する人物とは

音楽教室で働くことに興味のある方へ向けて、どんな人がこの仕事に向いているのか、実際に現場で求められている資質とは何かを、少々突っ込んだ視点から、詳しくお伝えしていきます。耳障りの良い言葉だけでなく、現場の“リアル”にも触れながら進めていきましょう。
「ちょっとできる人」では務まらない、ミスしない人が評価される
まず覚えておいていただきたいのが、音楽教室のスタッフという仕事は、派手さとは無縁の世界だということ。講師ではない裏方のスタッフは、生徒の予約管理、講師スケジュールの調整、イベントの事務作業、苦情対応……とにかく“抜け漏れ”が許されないタスクが山積みです。
たとえば「生徒の体験日を間違えていた」「講師に伝えるべき変更を失念した」など、小さなミスがそのままクレームに繋がります。しかも音楽教室という業種の特性上、お客様は偉い人が多く、ミスの火消しも一筋縄ではいきません。だからこそ、営業成績が多少良くても、事務処理能力が欠けていたり、対応に一貫性がない人は評価されません。
むしろ重宝されるのは、「ミスが少なく、抜けがない人」。一見地味でも、1日1日を事故なく終わらせる人のほうが、結果的に組織にとって大きな存在になります。
学歴・音楽歴よりも「配属先」の色に染まれるかどうか
音大卒でなければ受からないのか?とよく聞かれますが、それは会社によります。たとえばY社系では講師職では音大卒が前提、スタッフ職でもある程度音楽的素養が求められる傾向がありますが、郊外型の独立スクールや地方のチェーン教室では、全く音楽と関係ない学部出身者も多く、求められるのは“そつのない社会人スキル”です。
また、内部の雰囲気もまったく異なります。音大出身者が多い職場では「このレベルの音感がわからないの?」と空気で圧をかけられることも。逆に非音大系の職場では「音楽わかってるアピールうざい」と裏で言われることもあります。どちらも実話です。(株式会社ナージはどちらでもありません)
会社によっては「TOEICスコア提出」が必要だったり、「エクセル関数が使える人が前提」とされることもあります。つまり、音楽教室といっても“音楽だけしていればいい職場”とは限らないということです。
「年収を上げたい」人ほど他業界へ去る現実
音楽教室業界の給与水準は、はっきり言って高くありません。初任給17~21万円前後、年収で言えば280~330万円程度が平均ライン。しかも昇給が非常に緩やかで、「7年勤務して年収が5万円しか上がらなかった」という声も聞かれます。(株式会社ナージはそこまで悲惨ではありません)
それでも辞めない人がいるのは、「音楽が好きだから」「生徒の成長を見ているのが楽しいから」といった内面的な満足を重視しているからです。逆に、「同期と比べて自分だけ年収が伸びていない」「生活が苦しい」といった動機で他業界へ移る人も年々増えています。特に、法人営業や人材系、ブライダル業界などに流れていく傾向があります。
要するに、報酬の面で満足を得ようとする人は長く持ちません。ある程度“音楽と関わっているだけで満足できる”タイプの方が、業界にフィットしやすいのです。
教室の運営形態で求められる適性がまるで違う
音楽教室には大きく2種類あります。「楽器店併設型」と「独立型」です。
まず楽器店併設型。たとえば某国内大手楽器メーカーの直営店や量販系楽器販売店が運営する音楽教室では、レッスン運営だけでなく“売ること”が業務に組み込まれています。つまり、ピアノやサックス、電子ドラムといった高額商品の販売ノルマが課される場合もあるのです。表向きは「ノルマはありません」と言われることもありますが、「達成率が評価に直結して昇給に差が出る」など、実質的には数字プレッシャーが存在します。
中には、「販売数が少ないスタッフは店頭に立たせてもらえなくなる」「声が小さいと注意される」など、実質的に営業スキルが求められる職場もあり、これはもう“音楽教室スタッフ”というより“営業職”です。
一方、独立型の教室(地域密着型の個人経営、または本部直営でも楽器販売を行わないスクール)では、数字よりも“生徒満足”や“教室の雰囲気作り”が重視されます。生徒の退会を防ぐためにコミュニケーションを密に取り、発表会の運営やSNS更新まで手が回る人が重宝される傾向です。
つまり「体育会系・ゴリゴリ営業に抵抗があるけれど、音楽には関わりたい」なら独立型が向いていますし、「数字を追うのが楽しい」「やりがいは売上で感じたい」なら楽器店併設型が合うかもしれません。
結局、何が大事か?
結論として、音楽教室のスタッフ職で活躍するには、以下の3つがカギになります:
- 小さなミスを防げる丁寧さと冷静さ
- 自分が配属された職場の“文化”に自然に馴染める柔軟さ
- 「金銭的成功」より「日常のやりがい」に満足できる価値観
どれか一つだけが秀でていても、長く働くのは難しい世界です。
音楽に関わる仕事というとキラキラした印象を持たれがちですが、現実は非常に地に足のついた職務内容です。「自分はどんな働き方ならストレスなく続けられるか」「本当に音楽を仕事にしたいのか」を、応募前にじっくり考えてみることをおすすめします。
そして願わくば、“一時的な華やかさ”ではなく、“継続して支える力”を持つ人が、音楽教室業界に一人でも多く加わってくれることを願っています。
名古屋の音楽教室
株式会社ナージ


