脱サラして音楽講師になるには?──元音楽講師・現サラリーマンが語るリアルな話

時折、「脱サラして音楽講師になります!」という旨の宣言をSNSやブログで見かけることがあります。
私自身はその逆を経験しています。
音大を出て、しばらく音楽講師をしていたものの、ふとしたきっかけでサラリーマンの世界に入りました。今では会社員としての生活にもすっかり慣れ、安定や福利厚生のありがたみを実感しています。
ただ、音楽の世界から離れてはじめて見えてきたこともあります。特に「音楽講師としてやっていける人、やっていけない人の違い」や、「音大卒・一般大卒のバックグラウンドによる違い」など。
今回は、脱サラして音楽講師になるにはどうすればいいのか?というテーマで、あまり語られない現実を正直に書いてみたいと思います。
音大卒の脱サラ音楽講師は、実はうまくいく人が多い
音大を出て一度会社員になった方が、再び音楽の道に戻るというケース、意外とあります。
そしてこのタイプの人は、実は教室側からも歓迎されやすいです。
なぜかというと、
- すでに体系的な音楽教育を受けていて、指導メソッドを理解している
- 社会人経験があるので、礼儀や報連相、スケジュール管理もできる
など、音楽教室側が求める「講師としての基礎力」+「社会人としての信頼感」の両方を備えているからです。
実際、採用後もうまくやっている人が多い印象です。
一般大卒の脱サラ音楽講師は、ややハードルが高い
一方、一般大学を卒業してから社会人としてキャリアを積み、その後「音楽講師になりたい」と考える人も増えていますが……
正直に言って、このタイプをすぐに雇ってくれる音楽教室は少ないです。
理由は単純で、音大卒の応募者が当然修得している「指導力の裏付け=体系的なメソードへの理解」があるかどうかを見られるからです。この点が、一般大卒の場合は高い壁となり立ちふさがります。
ただし、「指導者資格」や「グレード」を持っている場合は話が変わります。
たとえば、ヤマハの指導グレードやカワイの講師資格などを持っていると、教室側の信頼度は一気に上がります。
音大卒でなくても、「この人はちゃんと教える準備ができている」と評価されやすいのです。
指導者資格もないけど講師に挑戦したい人は…
さて、一番厳しいのがここかもしれません。
一般大卒で、指導資格もなく、でも音楽講師をやりたい!という方。
まず最初のハードルは、そもそも演奏力が講師レベルに達していない場合が多いということです。
「趣味で10年ピアノを習っていた」「バンドでギターをやっていた」といった経験では、残念ながらすぐに指導に入るのは難しいです。
また、こうした方々がありがちなのが、自信満々だけど的外れなアドバイスをしてしまうタイプ。(特に高学歴の人に多い)
音楽指導には「なぜこの練習が必要なのか」を体系的に説明できる力が必要です。自己流では通用しない場面も多く、「勘で教える」スタイルは早晩限界が来ます。
音大卒も一筋縄ではいかないことも
音大を出ていても、指導がうまくいかないケースはあります。
特に「自分が受けてきたスパルタ式教育」をそのまま生徒に押し付けてしまうと、挫折する生徒が続出します。
教える側が、自分の学び方を一度壊して、柔軟に対応する姿勢を持てるかどうかが鍵です。
音大卒だからといって万能ではなく、むしろ謙虚さが大事なのは全タイプ共通ですね。
結論:どのタイプも「足りない部分」はある。だからこそ謙虚に、学び直す姿勢が大事
脱サラして音楽講師になる道は、学歴や経歴に関わらず、それぞれに強みと弱みがあります。
大切なのは、「自分には何が足りないのか」「どうすれば生徒の役に立てるのか」を常に考え、必要であれば学び直すことを厭わないことです。
誰もが最初は未経験です。でも、謙虚に努力できる人は、ちゃんと講師として育っていきます。
それは、私がかつて音楽講師をしていたときに、たくさんの仲間を見て感じたことでもあります。
名古屋の音楽教室
株式会社ナージ


